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本研究室の目標:C. elegansの神経科学研究で成果を出すことを通して、基礎科学、医学、産業界で活躍できる人材を育てること。特に、以下の4つ身につけることを目指します。

1)神経科学の知識、技術、考え方

 神経科学(脳科学)は、私たちの日常生活では「身の回りの世界の感じ方」「記憶」「感情」などに、医学的には適応障害や精神疾患などに、そして産業的には「嗜好性」「製品の感触や印象」「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)」などに深く関連します。


 神経科学には幅広くかつ基礎的な知識が必要とされます。具体的には、最先端の情報を利用して研究を行うことと、教科書を何度も読み返すことの間に、大きな相乗効果があります。(他の分野でも同様かもしれませんが、私はこれまでに経験した生化学・分子生物学・細胞生物学・遺伝学・発生学と比べて、神経科学でその傾向を一番強く感じています。)


 線虫C. elegansは、神経細胞のネットワークによって構成される「中枢神経系」を持ち、ヒトと共通する多数の神経伝達物質(グルタミン酸、GABA、セロトニン、ドーパミンなど)を用いていることから、高等動物と共通する視点で「脳機能解析」を行うことができます。しかも、C. elegansには「ライフサイクルが短い」「脳を構成する神経細胞が圧倒的に少ない」という大きな利点があることから、数年間という大学院の期間においても、大学院生個人が神経科学の様々な知識・技術・考え方を身につけながら、1つの独立した研究プロジェクトをやり遂げることが可能です。


なお、当研究室のテーマは、基礎神経科学だけではありません。医療や食品開発に貢献する研究プロジェクトも予定しています。

2)プロとしての研究の計画と実行

研究には「やってみなければ分からない」という面があるのは事実です。しかし、限られた時間を有効に使って、より本質的かつ重要な問いに答を出すためにはどうすれば良いか? 正解があらかじめ分かっている訳ではありませんが、正しい方向に進むための技術は存在します。産業界で知られているPDCAやOODAなどと比較しながら、目標に到達するための技術を身に付けます。

3)読み手に明確に伝わる文章の書き方(日本語及び英語)

「日本語は情緒的でサイエンスには向かない」という意見がありますが、私は違うと考えています。サイエンスおよびビジネスで読み手に論理的かつ明確に伝わる文章は、到達すべき型やそこにいたるため手段が存在します。また、主張したいことを強く主張する技術と合わせて、主張したくない事を目立たないように記述する技術も存在します。日本語および英語の複数の教科書などを参考にして、日本語でも英語でも明確に伝わる文章を書くための技術を身に付けましょう。

4)聴衆を引きつける口頭発表の方法(日本語及び英語)

口頭発表では、プレゼンテーションスライドのデザインや構成だけでなく、声の抑揚やリズム、視線、質疑応答の準備などにも技術が存在します。これには良い教科書は存在していませんが、これまで当研究室の大学院生が「分かりやすい口頭発表だった」と何度も評価されている実績を元に、その技術を伝えます。

受け入れ方針

大学の理系学部で何かをきちんと学んできた人であれば、研究室入室のために特に前提となる知識や経験はありません。しかし、当研究室では積極的に研究を行うことに加えて、「基礎的な神経科学の勉強」「必要に応じたプログラミングの習得」「日常的な英語の読み・書き・会話」にも積極的に取り組むことが必要です。
また、遺伝学や大量データ解析を基本にして、「仮説→実験→検証」のサイクルを様々な角度から回す必要があるため、3年以上一所懸命研究に取り組むことが理想的です。

名古屋市立大学大学院理学研究科・総合生命理学部

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