研究室の目標

知覚・記憶・判断・感情といった「脳のはたらき」は、神経細胞のネットワークからどのようにして生ずるのか?
その基本原理を明らかにするために、最もシンプルな脳を持つ線虫C. エレガンスを研究しています。

研究室の戦略

「脳のはたらき」を理解するためには、脳がどのような刺激を受け取り、どのような応答行動を引き起こし、またそれらをつなぐ神経細胞達の活動がどのようであったか、を理解しなければなりません。

我々は、この「刺激〜神経活動〜行動」の関連を理解するために、共同研究者の協力を得て、ロボット技術や機械学習を用いた世界最先端レベルの研究手法を開発しています。

・揮発と拡散によって形成される匂い勾配継時変化の測定 Yamazoe-Umemoto et al., Bio-protocol 2018

・仮想匂い勾配を移動するC. エレガンスの行動と神経活動のロボット顕微鏡による同時計測 Tanimoto et al., eLife 2017

・自由に移動行動するC. エレガンスの「狙い撃ち介入」による神経活動の制御 Tanimoto et al., Sci Rep 2016

・ハイブリッド機械学習技術による動物行動の分析 Yamazaki et al., Front Neurosci 2019

・深層学習を用いた三次元細胞追跡技術による全脳細胞活動イメージング Wen et al., bioRxiv 2018Voleti et al., Nat Meth 2019

​・機械学習による全脳活動パターンの解読 Wen and Kimura, Jpn J Appl Phys 2020

研究室の成果

上記の手法などを用いて、高等動物に共通するさまざまな「脳のはたらきの原理」を発見しています。

・ドーパミンによって増強される匂い学習 Kimura et al., J Neurosci 2010

・神経ペプチドは記憶の獲得に、ドーパミンは記憶の実行に関与 Yamazoe-Umemoto et al., NSR 2015

・解剖学的に対称なドーパミン細胞の非対称的な機能 Tanimoto et al., Sci Rep 2016

・意思決定のための細胞および分子メカニズム Tanimoto et al., eLife 2017

​木村の全業績は以下をご覧下さい:Google Scholar, Publons, Researchmap

研究室の教育

古典的な神経科学の知識から最先端の技術までを効率良く身に付け、世界で活躍できる研究者になるために、以下の機会を設けています。
・英語でのlab meetingとjournal club
・神経科学教科書 Neuroscience (Purves et al., Sinauer) の輪読(←大変好評です)
・分子遺伝学/イメージング/プログラミング/電子回路操作など、多様な手法を含む研究テーマの提供
・定期的な個人ミーティング
・明確な方針に基づいた口頭および文章発表手法の指導
・コラボレーションアプリの利用などによる徹底的な研究室内情報共有
・国内外の生命科学分野/ロボット工学/データ科学の研究者や、関連企業との速やかな連携

研究室メンバーの募集

​高等動物にも共通する「知覚・記憶・判断・感情」などが神経細胞のネットワークから生ずる仕組みを、シンプルなC. エレガンスを研究対象として、あなたのオリジナルな視点から明らかにしてみませんか? ロボット顕微鏡・全脳イメージング・行動や神経活動の機械学習(=「人工知能」)解析など最先端の手法を身に付け、脳・神経科学に関して普遍的な議論できるようになります。詳しくは「参加希望」のページをご覧下さい。

最新情報

2020/10/1

​9月から研究補佐員の宮地が、10月から学部3年生の鈴木と丸山が研究室に合流しました。

2020/3/5

​当研究室の博士研究員Wenが、数学的および機械学習的手法による全脳活動の解析に関する英文総説を発表しました。非専門家にも分かり易いように書かれています。[論文]

2020/1/4

​木村がNeuroscience Research誌の編集委員になりました。

2019/9/28

米国コロンビア大学Hillman研究室との共同研究が、Nature Methods誌に発表されました。Hillman研究室で開発された超高速三次元顕微鏡からの画像処理に、Wenが開発した深層学習などによる画像処理技術が用いられました。[論文]

 

2019/9/21

応用物理学会秋季学術講演会シンポジウム「数理がひもとく自然・生命現象と知的計算能力」で、木村が招待講演しました。

 

2019/7/26

Neuro2019 シンポジウム「データ駆動型/モデル駆動型神経科学研究の幕開け」を木村が主催しました。米国Janelia Research CampusからAlice Robie博士を招待し、講演していただきました。また、当研究室のWen研究員も口頭発表を行いました。

 

2019/6/28

当研究室の元大学院生山崎と阪大情報科学研究科の前川准教授そして多くの共同研究者との研究成果が、Front Neurosci誌に発表されました。[論文] [ResOU]

名古屋市立大学大学院理学研究科・総合生命理学部

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