2年以上前になりますが、学会の前後にハーバードやコロンビアなど有名米国大学の研究室を数ヶ所回って、教授・ポスドク・院生といろいろ話しました。その結果、「おぉっ、すごいっ!」と思うような論文は、当事者が地道にすごく頑張った結果、という当たり前の結論に達しました。もはや日本ではブラック認定確実な「1日16時間/週6日」とかも、複数の場所で聞きました。 とある教授いわく、「あのポスドクはすごく成果を出す。その理由は『頑張ってもうまくいかない(無駄になる)』という事を全く恐れずに、『これをやるべきだ』と考えたら、100でも200でもとことんやる」とのことでした。また「親の姿を見てきて、努力しなければ良い成果は手に入らないと分かっている人間は、違う」とも言っていました。 とはいえ、運動や他の趣味などで気分転換をするのは、頑張るために必要です。あと「長時間働けば必ず成功する」という訳でもないです。「ボスがいろいろな助言に全部対応して右往左往してしまって、『自分で選ばないといけないんだ』としばらくしてから分かった」っていう話も聞きました。つまり、質×量×主体性が重要です。 結論:「戦略をしっかり考える」「やると決めたらとことんやる」「主体的に」。それで数年頑張ったら、20代後半とか30代前半でも、ただの若者が世界レベルで「nobodyではなくてsomebody(利根川進「精神と物質」)」になれる可能性があるのです。上司や住む場所は自分の意思で選べるし(もちろん完全に自由にとは行かないですが、少なくとも選ぶ事はできます)、しかも、50代、60代まで能力があれば続けられる。もちろん、向き不向きはありますが、興味があればこの世界を是非のぞいてみてください。
- Kimura lab @ NCU
大学院生へ2:米国トップレベルの研究室はどうなっているか(生命科学系)
更新日:2022年7月16日
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